美術教室や美術大学の授業などで、ヌードモデルを描く授業があります。デッサンは絵画系の職業につく方にとっては必要不可欠なものです。なぜ、ヌードをデッサンする必要があるのでしょうか。こちらではヌードの魅力、ヌードデッサンの必要性についてご紹介いたします。
ヌードの美しさは自然芸術的なものです。男性は筋肉美、女性は曲線美という特徴があります。人体の美しさを認識出来るのがヌードデッサンの魅力です。
有名な絵画や彫刻にも、女性の肉体美をモチーフにした作品が数多くあります。女性は次に命をつなぐ大切な役割をもっており、その丸みの帯びた肉体は神秘な魅力に多くの芸術家が魅了されていたのでしょう。男性の肉体は躍動感のある彫刻などでよく見かけます。
ラオコーン像やダビデ像における男性の美しい肉体も非常に魅力的です。有名な芸術家のなかでも、特にミケランジェロは筋肉美を強調した彫刻・絵画が数多く残しています。人間のありのままの美しさを表現出来るのがヌードの魅力なのです。
人物を描く際、衣服を身につけていれば布で身体のラインは隠れてしまいます。しかし、それは人体をきちんと描く必要がないというわけではありません。私たちは肉体の上から衣服を身につけているため、布の動きやしわは身体の動きによってつくられます。そのため、ポージングと衣服の動きに関連性がないと違和感のある人物画に仕上がってしまいます。
衣服を身につけたモデルのデッサンは、布の動きや陰影を学ぶためにも大切ですが、衣服の下に人物の肉体を感じることの出来る作品にするためには、人体の動きをきちんと理解しておく必要があります。そのため、人物を描く際の全ての基本がヌードデッサンだといわれるのです。